rescue...

鰻、、、多分、小さな頃から鮨、焼肉、ハンバーグと並び大好きな食べ物である。。
子供にも甘辛く、柔らかな身と白米がミックスされた美味しさは分かりやすく、とても美味しい。。。
鰻の思い出は、父との思い出である…。
世の中の、分かりやすく父親に愛されたムスメとは異なり、何となく父とは距離を感じながら大きくなった。。
同じ姉妹でも、パパ〜と抱きついて愛情を示していた姉とも随分違う。。
別に嫌いなわけではないが、、、何となく隣のおじさん的な距離があったのだ。。。

わたしは何故か昔から忘れ物が多い…。
何故そんなことになるのかはよく分からないのだが、よく家の鍵を忘れて外出し、締め出しをくらう、、、ということが多々あった。。
くらうというのは、自分のせいなのでやや不適切な表現かもしれないけれど、、、
そんなとき頼りになるのが、隣のおじさん、、、
いやいや違った、、父である。。

まずは、鍵がないことに気付く…。
そして、父であれば、必ず会社にいるので、携帯のなかったご時世、距離はあったとは言え、そんな父に電話をする。。。
鍵を受け取りに、わざわざ大手町に行く。。
折角来たんだし、、、ということで鰻を奢ってもらう。。
という筋書きである…。
そして口数の少ない親子二人、向き合って鰻重を食べる。。。
ただ黙々と…。
食べ終われば、父が愛用し、ややクタクタになった黒の皮のキーホルダーから鍵を外し、銀色に光る鍵を受け取ってお別れする。。。

相当見つめたんだろうか、いまもこの鍵のイメージがリマインドできる…。
少し物足りないような、これ以上は深まらないような父とのコミュニケーション。。。

鍵のイメージとともに、今はかけることのない父の会社の電話番号、、、何だろう、、、
今でも暗記してるんだなあ…。

 

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