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父の実家に向かう道沿いには、桜の木が植えられている。いまでは、片側のみ数本残っているこの桜並木は、会ったことのない祖父が植えたのだと聞いている。父が小学生のときに、祖父は亡くなった。
次男坊だった祖父は一人娘の祖母のところにお婿にきた。お婿にきてから、桜の木を植えていったのだと思われる。
父が小学生のときに亡くなった祖父、父の実家の壁に掛けられた写真を見るとどことなく父に似ている気もするが、当然、叱られたことも、褒められたこともなく、この写真に写る人物を見ても、実感が湧かない。
この桜の木々を祖父が植えたと聞いたのは、小学生の頃だったと思う。その当時、桜というのは、公園や学校など、特別な場所に植えられているもので、個人が扱うようなものとは思っていなかった小学生のわたしは、おじいちゃん、すごい!と祖父を誇らしく思う、祖父に対しての初めての感情が芽生えた。
きっと、この道に桜が咲いていたらきれいだろうと一本一本苗木を植えていったと想像すると、DNAは繋がってる気はする。
不思議なもので、この桜並木から祖父を感じるわたしにとって、壁にかけられた写真は、祖父の桜を植えたひとの写真と意識を変えることで、わたしに親しみを覚えさせている。。。
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