クール、かつ重く。。

母方の祖父は、子どものご機嫌をとるようなひとではなく、口数も少なかったため、少し怖い存在だった。凝り性で、手先も器用だったため、巣箱から作って文鳥を育てたり、盆栽、剣舞、果ては編み物まで。。
自分の関心に従って、色んなことをしていた。怖いという思いと興味津々な気持ちの拮抗。。食事の時間には、自分で漬け込んだ、魚卵の粕漬けなんかをひとりで火鉢で炙ってる。。竹鉄砲や凧といった祖父作成の遊び道具にもかなり好奇心をそそられた。
粕漬けの方は、結局ご相伴に預かることはなかったが、竹鉄砲と凧の方は、随分と焦らされた後、竹を細工するところから作成工程を見せてもらうことができた。祖父宅の前の空き地で、その凧を揚げたときは、少し怖い祖父にお願いする→待つ→待つ→待つ、という関門を経た分、嬉しさが増した気がする。。
母と姉とわたしが東京に戻る日には、いつの間にか、すすす〜と姿が見えなくなる。。。駅まで送ってもらって電車に乗り、幾つかの踏切を通り過ぎると、電車は祖父宅の前を通る。母たちと車窓を覗くと、そこには決まって、あの怖い祖父が立っていた。それを見ると、胸から首のあたりが熱く、とても息苦しくなったのを覚えてる。
直ぐ分かることは、心地よく流れていく。。でも、そこから得られる満足は、限られてるかもしれない。。いつまでもいつまでも、姿が米粒になっても、ずっとそこに立っていてほしい。。。

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